先日Twitterを見ていたら、フォローしている作家の人が、新しく本を出したことを知った。
そして本の内容を紹介するブログの記事を読んでみたら、もともとは本に収録されている倍の量の原稿を書いていたのだけれど、すべてを収録すると本が分厚くなり、値段が高くなってしまうので、半分に削らざるを得なかった、という話が載っていた。
それを見て、もう紙の本の時代は終わりなんだな、と思った。
電子書籍であれば、容量が倍に増えても、製造コストが2倍になるわけでもなく、実質的に分量には制限がない。
たとえば、司馬遼太郎の文庫本10冊に及ぶような長編シリーズであっても、電子書籍であれば1つにまとめて売ることができる。
販売上の理由で、分量を削らなければならないのは、せっかく書いた原稿が無駄になってしまうわけで、著者にとってマイナスでしかないだろう。
また、その原稿を読むことができない読者にとってもマイナスにしかならない。
これは紙という物理的な制約のあるメディアで出版しているから起きることであって、電子化してしまえば、こういった問題は発生しなくなる。
書籍とはつまるところ、文字と画像による情報の伝達媒体なので、紙という制約を受けがちなものにとらわれ続ける必要はない。
私も個人で電子書籍を出版しているが、思うように、書きたいだけ書きまくり、最終的には書籍に換算すると、400ページくらいの分量になった。
単に量が多ければいいというものでもないだろうが、分量が充実した影響なのか、レビュースコアは4.6と好評だ。
紙の本は場所を取るし、輸送にコストもかかるし、即時に入手できないし、資源を消費するしで、電子書籍と比較した際に、それを上回るメリットがない。
一方で、電子書籍はこれとは逆のメリットが多数ある。
そのあたりを思い合わせると、今後、紙の本はレアなものとなり、電子書籍がスタンダードになっていくのだろう。