文章修行

文章修行のためにあれこれと書いていくブログです

佐々岡監督退任 この3年を振り返る

広島カープの佐々岡監督が退任ということで、ここ3年のカープを振り返ってみることにする。

 

この3年は連覇の反動の影響が大きく、いずれもBクラスで終わってしまった。

なので佐々岡監督が責任をとって退任というのも、やむをえないところではある。

 

2020〜2022年はコロナ禍にみまわれ続けた時期でもあり、カープでもたびたび離脱者が出て、なかなか思い通りにチーム運営がしづらい状態にあった。

 

それは他のチームでも同じだが、新人監督にとって、やりづらさは並大抵のものではなかっただろう。

 

観客の数が抑えられ、声援が少なかったことも、少なからずチームの士気に影響したと思われる。

 

また、助っ人外国人の獲得にも支障をきたし、なかなか戦力になる選手が出てこなかった、という問題も発生した。

 

それに加え、中継ぎ、抑えが連覇中の酷使の反動によって壊滅状態となっており、中軸を担っていた野手たちも衰えたり、FAで去るなりしており、かなり困難な状況でスタートを切ることにもなった。

 

これでは優勝を目指すのは難しく、佐々岡監督に求められたのは、次の黄金時代に向けての下地作りだったと言える。

 

この時期、ドラフトで森下、栗林といった優れた投手を獲得することに成功し、投手陣の厚みはかなり回復した。

 

そして森浦、松本といった投手たちも中継ぎとしてある程度の成績を残しており、大卒・社会人中心のドラフト戦略が機能し、初期の焼け野原状態からはだいぶ立ち直った。

 

また、これまで戦力になっていなかった矢崎が、セットアッパーの役割を担えるようになったことも大きい。

 

これを3年で着実に達成したことには、一定の評価をされるべきだと思われる。

 

佐々岡監督はチームに何も残せなかった、と言ったそうだが、さすがにそれは謙遜がすぎるだろう。

 

投手の起用、状態の見極めについては、優れた能力を持っており、それゆえに新人たちが順調に成長、定着していったのは事実である。

 

野手の方は昨年、鈴木誠也がポスティングで移籍してしまい、攻撃力が大きく低下する事態となった。

 

かわる大砲候補はいまのところ育っておらず、これが現在のカープの弱点になっている。

 

連覇していた時期には丸、鈴木誠也といった30HRを狙えるバッターがクリーンナップを形成していたが、やはり大砲を複数人そろえないと、優勝を狙うのは難しくなる。

 

また、野手は中堅〜ベテランの起用が目立っており、若手の成長はもうひとつだった。

 

その中で、小園がショートのレギュラークラスに成長したのは、明るい兆しだと言えよう。

 

走塁面では盗塁数が激減しており、このあたりの改善も重要になってくる。

 

総じていうと、最も弱かった中継ぎ、抑えに関してはある程度の立て直しに成功した。

 

野手陣は移籍の影響が大きく、さほど強化もできなかった。

 

なので次の監督には、投手陣の整備を引き続き行いつつ、野手陣の育成を迅速に進めていく手腕が求められるだろう。

 

個人的には連覇の下地を作った野村謙二郎氏が適任ではないかと思うが、果たして誰になるのだろうか。