文章修行

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感情に囚われない心の場所

古い本に、「人の心には、喜怒哀楽などの感情が発する以前に、中という状態がある」と書かれていた。

これはつまり、心にはいまだ感情にとらわれていない、ニュートラルな状態がある、ということを示しているようだ。

 

なるほど、確かにそうかもしれない。

 

人の心は、いつもゆれ動いていて、せわしなく感情を発しているが、かといって、常に感情にとらわれているわけでもない。

この本ではその感情がない状態を「中」と呼んでいるが、少しイメージしにくければ、中空と言いかえてもいいかもしれない。

そのような状態があるし、いつでもそこに立ち返ることができると意識しておくのは、重要なことだと思う。

 

怒りや悲しみといった負の感情にとらわれてしまったとしても、それは一時の状態でしかない。

いつでも中空の状態に立ち返ることができるのだということがわかっていれば、その感情に溺れ切ってしまうことがなくなる、

 

怒りや悲しみは、それが激しく持続してしまうと、人の心身を強く損なうことになる。

また、周囲にも悪い影響を及ぼす。

そうならないように、いつでも中空に帰れる準備をしておくと、心を安定的に運用していく上で役に立つかもしれない。

 

喧騒に包まれた街中で、ふと静かな公園を見つけて、そこに置いてあるベンチに座ってゆっくりと休む。

 

心に中空があると意識することには、そのような作用があるのではないかと思う。