文章修行

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立憲民主党はどうして人気が出なかったのか

世論調査を見ると、立憲民主党は支持率が伸びていないし、投票先の対象としても、維新に遅れをとっている状況だ。

私は立憲が結成された時に演説を聞きにいっていて、そのときには聴衆の熱気と期待感が、非常に高まっていたことを覚えている。

しかしその後、時間がたつにつれて立憲に対する世間からの期待感は薄れていき、支持率の低迷にもそれが現れている。

では立憲はどうして失敗してしまったのかと言うと、世間から期待されていたことに応えられなかったからなのだろう。

期待されていたこととは、おそらく、20代から40代くらいの若手を中心とした、清新な革新勢力を作ってほしい、それによって自民党とは違う政治をしてほしい。

そのような期待感が世の中にはあり、当初、立憲はそれに応えてくれるのではないかと考えられていたのだと思われる。

しかしその後、立憲は菅直人小沢一郎といった、高齢で、古いタイプの革新派の政治家たちを、顧問という形で迎えるようになった。

それによって旧来の左派系の勢力と変わらないのではないかと、見られるようになった。

こういった人たちを迎えることによって、短期的には議席数が増えたのかもしれないが、将来的に議席数が伸びていくための、好感を持たれる党のイメージ作りに失敗してしまったのではないだろうか。

そして去年の衆院選では共産党と共闘する戦略をとったが、これが左に傾きすぎているのではないかという懸念を有権者に与え、議席数を伸ばすことにつながらなかった。

このように、高齢の議員が多くなったこと、左に傾きすぎているのではないかと懸念されたことなどが、立憲が支持を得られなくなったことの原因になっているのだと思われる。

そして立憲が方針によっては得られていたかもしれない人気を奪ったのが、維新なのではないか。

維新は若くて見栄えのよい吉村大阪府知事を前面に立てることによって、若くて革新的な勢力は私たちの方なのですよ、とイメージを世間に売り込むことには成功したのだろう。

彼らの実態は自民党とたいして変わらないが、表面のラベルを新しいものに見せることによって、そのような印象を持たれることになっている。

それは世論調査で、投票先の選択において、維持が自民党に次ぐ2位につけていることから、うかがうことができる。

立憲の方も去年の衆院選の後に枝野代表が辞任し、若手の泉氏が代表になった。

しかしそれだけでは今のところ、党勢の回復にはつながっていないようだ。

立憲に関する報道を見ていると、代表選においても、裏では小沢一郎が画策していたといったような話も伝わってくるし、やはり古い政治家が多いという印象はぬぐえないままとなっている。

菅直人が大阪に乗り込んで維新と対決すると言っているが、おそらくこれによって状況が変わる事は無いどころか、むしろ、立憲は老人が目立つ古い政党なのだと言う印象を、強く植え付けることにもつながりかねないのではないか。

こういった人たちを取り込まずに、若く有望な人材を積極的に起用していくという方針をとっていれば、立憲の人気が低迷する事はなかったのではないかと、私はそのように考えている。