外からの意見に耳を貸さなければ、一見したところは快適に時間を過ごせそうに思える。
しかしそのようにして、風通しを悪くして、小さな世界に最適化するようになると、個人であれ、組織であれ、じわじわと衰退していく。
意見を受け入れないとは、新しいことを学ぼうとしないということで、そうなるともう進歩はない。
個人でも組織でも、持っている知識や思考の力には限りがあり、常に外から取り入れる、という姿勢を持たなければ、だんだんと中身が劣化していき、世の変化に取り残されていく。
取り残されれば、その先に待っているのは衰退だけだということになる。
つい最近、そのような事例が、ある政党で見受けられるようになった。
元から抱えていた問題が、広く世に明らかになったのだとも言える。
それに対してその政党は、批判を受けても強い反発を示すだけで、自分を変えようとはしない。
反発すればするほど、内側はより強く固まっていき、短いスパンで見れば、居心地のよさを獲得できるのだろう。
しかし、その人たちがこもっている城の城壁はだんだんと崩れていき、いつかは完全に崩壊してしまう。
内にこもるとは、崩れていく建物に住み着いていながら、まだ大丈夫だと安心するような行いだ。
はたから見るとそんなところにとどまっていても、何もよいことはないとわかるのだけれど、城にこもってしまった人たちにはそれがわからない。
崩れかけであっても、いまだ城ではあるからだ。
城は人を守るが、やがてはそこに人を閉じ込め、弱らせてしまうものでもある。
なので我々は外に出て、外にあるものに触れ続けなければならない。