文章修行

文章修行のためにあれこれと書いていくブログです

読みやすい小説と読みにくい小説 8月3日の日記

 天気予報によると日曜日から気温が下がり気味になるようだ。
 でもそれは台風の影響のようなのであまりうれしくない。
 早く平穏というか、何事もなく涼しく暮らせる日はこないのかと待ち望むばかりだ。

 ここのところいくつか小説を読んだのだけど、読み進めやすかったものと読み進めにくいものがあった。
 読み進めにくい小説には共通したところがあって、冒頭から登場人物が2人だけのシーンが長く続く。
 その方が書くのは楽なのかもしれないけど、読む方としては刺激が少ないのでだんだんと飽きてしまう。
 主人公に何人かが入れ替わりつつ関わってくる、というような話の方が次に何が起こるのか、という興味がわきやすく、それで読み進めやすくなるのかもしれない。

 でもただ事件が次々起こるだけではなく、主人公が何を思うのか、どのように内面が変化していくのか、そのような描写もないと読んでいて得られるものが少なくなる。
 出来事を見るだけなら映画やドラマなどの方がわかりやすいのでお手軽に楽しめる。
 文章で表現する強みは言葉による内面の描写がしやすいところにあり、そこでこちらの共感を読んで引き寄せることができるかが鍵になる。
 起きていく変化と、共感を深める心理描写と、そのあたりのバランスがうまく作られている小説は面白く、そうでない小説はどこか物足りない、と感じてしまうのかも。

 これは私の好みの話であって、2人だけでしばらく話が進む方が好き、という人もいるのだろう。
 だからそういう小説が出版されているのだろうし。
 好みでしかなかったとしても、自分が何を好むのかを明らかにしておくことも重要だと思う。
 というのも、最近私は自分でも作っているからだ。
 自分が好きだと思うものでないと、なかなか作るのははかどらない。
 他の人が作ったものに触れ、自分の感覚への認識を深めることで、自分が作りたいものの方向も見えてくるのではないかと思う。