昔はドラクエやFFなどを楽しく遊んでいたものの、今となってはそれらで採用されていたコマンド式RPGという形式には魅力を感じなくなっている。
たまにプレイしてみる時もあるのだけど、すぐに飽きてしまう。
いまはアクションゲームの方がずっと楽しいと感じる。
それには、ハードウェアが大幅に進化したことが要因としてあるだろう。
等身大のリアルなキャラクターをさくさく動かせるようになったことで、アクションゲームの面白さは飛躍的に向上している。
グラフィックの質もどんどん上がっていて、キャラメイクや美麗なフィールド・背景の映像を楽しめるものも多い。
その環境を最もいかしているのが、ダークソウルやエルデンリングといったフロム・ソフトウェアのゲーム群だろう。
フロムは戦闘の難易度のバランスとりが巧みで、探索して楽しい立体マップづくりを得意としており、そのあたりがヒット作を連発できる基盤になっているのだと思われる。
アクションゲームの面白さは、操作をするとそれがすぐに画面上のキャラクターに反映され、結果を見ることができることにある。
しかしコマンド式RPG、たとえばドラクエの場合は、行動をリストから選択→PTの全員分それを設定する→それからようやく動き出す→その間操作することはなく、結果を眺める、という構造になっている。
アクションゲームの場合、攻撃をしかける→すぐにキャラが動く→攻撃が当たる・外れる→敵が反撃してくる→防御する・回避する→敵の動きが鈍くなる→大技を使う、といったように、同じ時間のなかでより濃密に駆け引きを行うことができる。
アクションゲーム体験においては、操作に対するレスポンスにかかる時間が短く、また行動選択が素早く求められるものほど、よりユーザーが楽しさを感じられるようになっている。
もちろんそれが極端に早かったりするとろくに遊べないが、そのあたりがうまく調整されていると大勢が楽しいと感じるようになる。
それができているゲームがたくさん登場するようになると、操作に対するフィードバックが得られるまでに時間がかかってしまうコマンド式RPGには、魅力がなくなってくるのだ。
アクションゲームがトン、トン、トン、というリズムで動いているとすると、コマンド式RPGはトン……、トン……、トン……、というゆっくりしたテンポで動いている。
そのあたりが以前と比べると面白くないな、と感じる要因になっているのだと思われる。
ゲーム制作者たちもそれはわかっていて、ドラクエも最新作では戦闘方式を変えると発表しているし、FF16は完全にアクションRPGになるようだ。
とはいえ、コマンド式RPGが完全になくなるかというと、そうでもないだろう。
アクションゲームは得手不得手がでやすく、クリアできない人はどうしてもクリアできない、ということにもなりやすい。
それに対し、コマンド式RPGは時間をかけてレベルを上げていけば、誰でも確実にクリアできるという安心感がある。
また、ストーリーをじっくりと展開していくことに向いているので、物語性の高いゲームはコマンド式RPGでも楽しく遊べるだろう。
ゲームの主流をアクションが担っていくことには変わりがないにしても、今後もコマンド式RPGはニッチな需要を満たす存在として、生き残りはするのではないかと思う。